入社のきっかけ
「海が好き」がきっかけで海洋工事の現場に
入社のきっかけは「地元の先輩からのスカウト」でした。
もともと趣味でレジャーダイビングをしていたこともあり、「海に携わる仕事をしたい」という漠然とした思いがありました。小さいころから父親に誘われ、マリンスポーツ全般に親しんでいたこともあり、誘われた時も二つ返事で入社しました。
入社した今は「それまで『遊び場』だった海が『仕事場』に変わった」そんな気がしています。
今の仕事のやりがいと魅力
驚きと発見の毎日だった新人時代
はじめての現場は和歌山の海でした。
型枠と呼ばれる基礎を沈める仕事だったんですが、海洋工事の知識もなく、ただ目の前の仕事をがむしゃらに食らいつくことで精いっぱいでした。起重機船(重量物を吊り上げて移動させる用途に特化した船舶)を使い、何トンもある構造物を沈める作業ひとつとっても、いくつもの工程があり、驚きと発見の毎日を過ごしているうちに新人時代はあっという間に過ぎていきました。陸上の工事と違い、現場で工事を経験してみないと何をしているのか分からない部分が多いのが海洋工事の特徴です。実際、入社してみて構造物の固定や掘削など水中での作業にもこんなに種類があるのかと驚きました。
僕たちの仕事は、海に潜って作業をすることもありますし、作業員に指示を出したり、作業工程を管理したりと作業内容もさまざまです。それに海といっても現場によって環境も工事内容も変わるので、同じような工事に見えて一つとして同じ工事がないんです。
だから、一言で「こういう仕事だよ」と説明しにくいんですよ。僕の家族も「魚を採る仕事をしている」くらいに思っているじゃないですかね（笑）
常に現場で正解を見つけていく過程の楽しさ
僕ら潜水士や施工管理者、重機オペレーターなど、数人から十数人のチームで１つの現場を担当します。常にチームで意見を出し合い、刻々と変わる海の環境に合わせた正解を見つけていくのですが、その作業に面白さを感じています。水中の作業なので危険な場面もありますが、いかに工夫をしながら安全に工事を完了させることが一番のやりがいのあることなんだと思っています。
自身のキャリアで印象に残った現場のひとつに、沼島(兵庫県)の型枠工事があります。沖の防波堤が現場だったのですが、厳しい環境の中、大型型枠を設置する作業を担当しました。通常の作業に比べて多くの作業員を束ねつつ、水深16mの海の中で大型型枠を設置するなどそれまで経験したことのないことが多く、戸惑いもありましたが無事に完成した時はうれしさもひとしおでした。
海洋工事の現場ならではの「あるある」
大変そうに見られるけれど、意外と大変じゃない
現場に出ると他の作業員に「大変ですね」と声を掛けられることが多いです。
でも、意外と大変じゃないんですよ。夏場は海に潜って作業をするので、熱さもあまり感じないですし、冬場は水中の方が寒くないんです。何より、海好きには最高の環境ですよ。（笑）
唯一、大変なのが現場が基本的に日本全国なので工期が長いと長期で家を空けることくらい。それでも、この仕事に携わる魅力の方が大きいんじゃないですかね。実際、親子で現場に出る作業員や同業者も多いので。
今後の目標
現場の意見を聞きながら、新しい工法を生み出すこと
この仕事を通じて感じるのは、どの現場でも関係者全員の持つプロ意識の高さです。僕ら潜水士や測量士、起重機船のオペレーター。いくつもの職種のプロが集まり、工事を進めていく。安全はもちろん、工期内に効率よく作業を進めることや構造物の完成度などひとつひとつの作業と真剣に向き合っています。
時には既存の工法では対応できない現場もあります。そんな時は、チーム全体でアイデアを出し合い、新たな工法を模索することも。当社でも、こうしたアイデアから生まれた工法がいくつもあります。
「常に何かを考えて現場と向き合う」こうした積み重ねが海洋工事の未来を変えていくのではないかと思っています。
僕自身の目標に「陸でできる仕事を海でも同じようにできるように」があります。やはり、海での作業になるので陸上とは環境が違い、同じ工具を使えないなどハンデはあります。ですが、工夫次第でできると思っています。そのためにも現場の作業員や若手の意見を聞きながら、新しい工法を生み出すことも僕らの仕事だと思っています。
